


書籍「映像実験のために」(青土社1986年)をベースに、マルチメディア作品として再構築したCD-ROM版「映像実験のために」(ユーフォニック1997年発刊)。『新たに「21世紀への発言」というコラムを全ての章の始めに設けて、自ら顔を映像として出して、発言した。このコラムで私は「本でもあると同時に映像でもあります。実際に写真や、映画やビデオなど、私の作品が映像として現われる。しかも、それぞれムービーとして見ることが出来るということは前の本にはなかったことで、私の作品をじかに体験することが出来ます」と語った。
ここにこのCD-ROM版の最大の魅力がある。しかも、それがテキストとリンクして参照されるところに、「間(インター)テキスト性」と呼ばれるCD-ROMの独自性がある。それは、テキストとイメージの間ばかりでなく、テキスト相互間、イメージ相互間にもある重層した関係のネットワークである。』飯村隆彦