1972年、世界の写真史上に衝撃を与えた写真集「写真よさようなら」を出版した後、同年、自身の写真を見つめ直すために作られたのが、森山大道個人写真誌「記録」。この極私的写真集は、他者に向けてというよりも、まず自らに向けてという性質のもので、日常の気ままにスナップしたものの中から自らが恣意的に選んだ写真を16ページに纏めた私家版でした。しかし、折からのオイルショックによる制作費の高騰などもあり、1973年、「記録5号」を出版した後、休刊となる。その後、34年の時を経て、2006年、Akio Nagasawa Publishing より「記録6号」を出版。
この「記録」誌は森山大道のライフワークとして、その時々の森山大道の”気分”を体現し、現在も継続中である。